税金滞納者の社長と結婚して、大変なことになった30代女性の体験談。

士業の体験談(資格試験、税理士事務所勤務体験などのあるある話)

税金滞納者の社長と結婚して、大変なことになった30代女性の体験談。

大学卒業後、大手企業に入社し、約15年東京都内で正社員として勤務していました。

個人事業主を5年ほど続けている彼と結婚をすることなり、勤めていた会社を退職し彼の事業を手伝うことにしました。今まで大企業と言われる会社で、研究員として勤務していたのですが、個人事業主の彼は全ての作業を自分で行う必要があり、私が引き継ぐことにしました。慣れない事務仕事の中で、特に困ったことは経理関係の仕事でした。仕事の忙しい彼は、経理関係の作業をほとんど理解しておらず、何となく5年間過ごしてしまいました。

いろいろ知識を増やしながら、少しずつ整理をしていく私でしたが、ある日役所から重要書類と記載された封筒が数通届きました。その書類は法人税・消費税・住民税等が未払いであり、大至急支払うようにとの督促状でした。今まで私は、基本的な税金は、会社の方で手続きをしてもらい、給料から引かれた状態で支給されていたので、督促などされたこともなく、とても驚きました。正直、何がどこの場所で支払うべきなのかすら理解しておらず、また何が必要なのが、どのくらい未払いなのかもわからなかったので、取り急ぎ役所に行ってみました。最初に役所で言われたことは、何度か督促していたけど、全く連絡がつかずに困っていたということでした。

そして個人事業主と思われた彼は、有限会社を登記していて、法人税を支払う立場にあったことも初めて知りました。さらには彼が企業した5年間、一度も確定申告が行われていないことも告げられました。よって、最後に確定申告を行った金額で、ずっと住民税等が計算されていて、滞納金も相当な金額になっていました。税金は必ず支払わなければならない。そう思って生きてきた私にとって、理解できるはずもなく、ただ茫然としました。慌てて彼に確認をしてみると、5年前にとりあえず会社名を登記して有限会社にしたこと。経理関係の知識がなく、また面倒だったので、売上データしか入力していなかったこと。税理士さんにお願いするだけの売上がなかったので、確定申告できなかったこと。督促はあったけれど、支払うお金がなかったので、ほっておいたこと。そんな感じのことを言われました。

今まで、そのような話を伝えられなかったことに憤りを感じましたが、夫婦になってしまった以上、私も知らなかったとは言えません。簡単に離婚すれば楽なのでしょうが、逃げたくはありません。理解するしかない。やるしかない。まずは、何からやれば良いのか、それすらわからずに、とりあえず住んでいる地域の役所から行くことにしました。役所では、まず、滞納金の一括支払いを求められました。絶対に支払うことのできない金額で、そのことを伝えましたが、結局現在の事業の売上を証明できる書類がないことを指摘されました。そこで、税務署に行くことにしました。

すると企業として登記するメリットのない、売り上げに、税務署の方からなぜ登記したのか聞かれました。そこでいろいろ教えてもらった結果、登記は辞めることにしました。そこで、法務省の出張所に行って廃止手続きが必要になりました。出張所でも、この5年間売上を申告していなかったことについて、かなりの指摘をされました。泣きそうになる自分を抑えて、とりあえず登記をしたが、有限会社と個人事業主との違いすら理解していなかったことを伝え、個人事業主で売上申請をしたいと相談しました。何度も何度も出張所に行き、少しずつ自分の知識を増やしながら、結果、5年前から有限会社としては機能したおらず、個人事業主として行ってきた事実を理解してもらえました。そして登記を廃止する手続きも行いました。そこが完了すると、税務署です。

今度は、個人事業主として、彼の5年間の確定申告を行う必要があります。売上が少ないとは言え、過去5年間の売上を年度ごとにまとめ基本データを作成するのはとても大変でしたが、約1か月後完了しました。それから数回、税務署へ行き修正を行い、やっと5年分の確定申告を完了することができたのです。その書類を持って、今度は役所で住民税と法人税の手続きを行いました。全ての税金について、5年分の整理を行うことができました。しかし、未払い金はまだまだ残ってしまいました。今は毎月、きちんと支払ってくれていますが、それにプラスして未払い金も少しずつ返済してもらっています。売上も全然上がらないし、本当に嫌になりますが、とりあえず頑張って払っていくしかありません。税金滞納者と結婚しなきゃ良かった。