住宅ローン控除により安くなっているはずの住民税が高額に。過払い分を取り戻したタクシードライバーの体験談。

士業の体験談(資格試験、税理士事務所勤務体験などのあるある話)

住宅ローン控除により安くなっているはずの住民税が高額に。過払い分を取り戻したタクシードライバーの体験談。

タクシードライバーです。

数年前、住宅ローン控除によって安くなっているはずの住民税(市民税)が知らぬ間に高くなっていて、何も分からないままにドタバタとしながら何とか過払い分を取り戻す、という経験をしました。

休日のある日、「これ、ちょっと見てくれない」と妻が2枚の給料明細書を持ってきました。それらは去年と今年の同じ月の給料明細でした。妻の指はその給料明細書の住民税の欄を指し示していました。確かに金額がかなり違います。何故そうなっているのかと問われても、税金の事など全く解らない私に答えられるはずがありません。それまでの給料明細を遡って引っ繰り返してみると、ほとんど一年前から税額が高くなっており、総額で2万円前後の過払いになっていたと記憶しています。そしてもう一度、無い知識を総動員して考えてみましたが、当然思いつく訳がありませんでした。

税制面で何かの変更でもあったのかもしれないという事で、市役所の市民税課に電話で問い合わせてみる事にしました。経緯を説明すると調べて折り返し連絡をくれるとの事。今はきっと、パソコンにその様なデータが全て記録されているのでしょうか、思ったよりすぐに返事の電話があり、それによると、住宅ローン控除の手続き時に、会社から提出されるその関係の書類に不備があった為その年の控除がされていないという答えでした。詳しくその時の状況の説明もあって、一度書類不備の件をこちらの会社に連絡し、正しい書類を送り直す様に要請したそうです。にも拘らず、その正しい書類が送られて来なかったので、控除がされないまま税額が決まったという話でした。そして今からでも正式な書類があれば、払い過ぎになる税金は還付する事が出来る旨教えて貰う事が出来ました。

すぐに会社に連絡しました。私はタクシードライバーとして働いています。休日が日曜日ではないので、会計課の担当者がすぐ電話口に出てこの事情を説明しましたが、なんだか反応が鈍いのです。タクシー会社の給料体系は歩合制の部分が多くて、各種経費の計算方法を含めるとかなり解り辛いものになっています。おまけにタクシードライバーは私も含めて年寄りで学歴の低い人も多いので、社員からの問い合わせが結構多く、その対応にうんざりしてるのでしょう、彼の反応は「また訳の解らない事を言って来てる」という風な態度なのです。埒が明かないので、面と向かって説明する事にして電話を切りました。翌日、事務所で会ってみると面倒臭そうな感じでしたが、状況が判ったのですぐ処理をするという事でした。

理解してくれた様だと安心して待つ事2ヶ月。しかし市役所からも会社からも何の音沙汰もありません。そんなに時間が掛かるものかと訝りながら、問い合わせは市役所にしました。会社のあの嫌な感じの担当者と話しをすると喧嘩してしまいそうに思えたからです。
返事はこちらの会社から未だ何らの書類も手続きも為されていないという事でした。会社の例の担当者にもう一度会うとそれこそ怒鳴ってしまいそうだと思い、私は市役所からこちらの会社に連絡を取って貰う様に依頼しました。電話口の方はちょっと渋っておられましたが、事情を説明して何とかお願いし、それから間もなく還付金が振り込まれ、やっと一件落着となりました。

大した苦労話でもありませんが、2万円程が取り戻せたのも大きく、私としては良く出来た方だと自己満足しています。そして給料明細は眺めるだけでも良いので、普段から出来るだけ見ておいた方が良いと思いました。そうすればいつもと何にかが違った時にすぐ発見出来ますし、よそ様はこんな事はないのでしょうが、我が社のいい加減さが良く分かったので以後注意したいと考えています。それにしてもお役所仕事とよく言いますが、今の役所はなかなか対応が良いです。感心しつつ感謝しています。我が社の方がずっとお役所仕事です。