母親が売却した株の譲渡益申告をe-taxでやってみたら不安が。30代女性の体験談。

士業の体験談(資格試験、税理士事務所勤務体験などのあるある話)

母親が売却した株の譲渡益申告をe-taxでやってみたら不安が。30代女性の体験談。

東京都内に住む30代の専業主婦です。高校卒業後、一般事務を経験しましたが、特に税金関係には携わらない職種でした。今年、初めてe-taxで確定申告をしたのですが、恥ずかしながら税金については日常生活で関わる部分以外の知識はほとんどなく、終えるまでかなり苦労しました。

事の始まりは、私の母が一般口座で株を売ったことでした。特定口座で株を売った場合、譲渡益にかかる所得税は自動的に源泉徴収されるのですが、諸事情により一般口座で株を売ったため、所得税を自分で申告する必要がありました。母もあまり税金関係には詳しくなく、また税務署に行くことも難しかったため、自宅で少し時間の取れる私が、パソコンからe-taxに初挑戦することにしました。

まず、必要なものを揃えます。ICカードリーダライタを購入し、母に個人番号カード(あらかじめ申請)と、源泉徴収票を用意してもらいます。また、証券会社に払った委託手数料を知る必要があったのですが、証券会社のホームページにログインして情報を探しても見当たらず、電話で問い合わせて聞きました。そして、いざ始めようとするのですが、国税庁のホームページを見ると、e-taxのソフトをパソコンにインストールする方法のほかに、「確定申告書等作成コーナー」で画面の案内に従って操作を進めていく方法もあるようです。少しの間、両方のやり方の説明を見てしまい、頭が混乱してしまいました。やがて「e-taxをインストールする」やり方を選び、説明通りに操作を進めていくのですが、インストールを始めるまでの手順がとても多くて驚きました。途中、個人番号カードを受け取った時に設定した電子申請用のパスワードも必要になるので、母に入力してもらいます。こうしてなんとかe-taxのソフトをダウンロードし、必要な帳票を作成し始めます。

今回作成が必要だった帳票は、株の銘柄ごとに売った金額や手数料等を入力するものが2ページ、それを元に支払う所得税を計算するための帳票が3ページありました。これらの帳票は専門用語が多く、文字も細かく、ひとめ見ただけで眩暈がします。でもやらないわけにはいきません。まず入力していて驚いたのが、せっかくパソコン上で数字を入力する方法を選んでいるのに、帳票間で数字が連動していないところです。多くの入力欄に、【申告書第三表「ツ」へ】のように、「ここで入力した数字を別の場所にも入力してくださいね」という指示が書かれています。コピー&ペーストで、指示された箇所に転記するのですが・・・最初から片方を入力したら、自動的にもう片方にも数字が入るようにしてくれればいいのに!と思いました。そうすれば、転記ミスも防げます。簡単な計算については、自動で数字が入力されるところもありますが、それでも中々根気がいる作業です。

源泉徴収票の数字をそのまま当てはめていく欄もあり、そこはスムーズに進んだのですが、入力する数字を、税率などをふまえて自分で計算する箇所もあり、間違えないかと何度もマニュアルを読み直しました。このマニュアル(PDFデータ)もまた厄介で、2ページごとに見開きで見ることを前提に作られたレイアウトになっています。それに気づかず、1ページずつ縦方向にスクロールする形でしばらく表示していたため、わかりづらさが倍増してしまいました。

こうしてやっと、作成していた帳票内の「納める税金」欄に金額が算出されました。e-taxで帳票の送信を終えて、一安心・・・ではなく、納税をしなくてはいけません。帳票の提出だけでなく、税金の支払いも3月15日までにやる必要があると気が付いたのはしばらくしてからでした。提出した帳票を元に、税務署から払込用紙でも送られてくるのかと思っていたら、そうではありません。実は母の個人番号カードが出来上がったのがギリギリだったため、作業を始められた時期が遅かったのです。慌てて銀行に行って支払いました。帳票の内容が合っているかを誰かに確認してもらったわけでもなく、初心者である自分が入力した数字で算出された金額を支払う・・・少々不安でした。

頭を悩ませながら終えた確定申告でしたが、勉強になりました。株の譲渡益に20%も税金がかかるとは、驚きました。また、よほどの事情がない限り、株をやるのであれば特定口座を利用しようと思いました。一度経験して勝手がわかったとはいえ、同じ苦労はもうしたくありません。そして、確定申告の際は、納税も含めて3月15日まで。忘れないようにしようと思います。