自力で初めて確定申告した30代喫茶店経営者の体験談。

士業の体験談(資格試験、税理士事務所勤務体験などのあるある話)

自力で初めて確定申告した30代喫茶店経営者の体験談。

2年前、40歳手前で脱サラし、個人事業主として、喫茶店を立ち上げました。

個人事業主になると必ずついてくるのが税金の申告。20年前に専門学校で所得税法3級を取得しており、前職で公的機関の書類を扱っていたという土台があり、何より数字を扱うことが好きなため、自力で税金の申告を行うことにしました。その中で、本当に個人事業主はやりたい放題だなと感じた部分をお話しします。

4月に立ち上げ、とりあえず12月までは、自分のために使ったお金と事業のために使ったお金をキチンと分けて、まじめに計算していました。12月に入り、確定申告の準備を行うため、書店に立ち寄り参考書を購入しました。参考書には、「すでに知ってるよ」ということや「そんな項目あったあった」と思い出させてくれることもありましたが、衝撃的だったのは裏技的な要素でした。

始めた当初から気になっていたのですが、私の食べる食事。食材ロスと言われるものを食べています。これをどう処理すればよいのか非常に悩んでいました。そこで、その本で調べたり、ネットを見ていると売上に計上せよという指導。これにより売上も微増し、収支的にも見れるものにるという利点も発生しました。そのほかにも、店のインテリアとしてギターを購入したのですが、結構頻繁に弾いて楽しんでいますので私物として計上していましたが、これも経費で許される範囲。ほかにも同じ目的で、ダーツなども購入しました同様の理由で経費としての計上が可能でした。

確かに所得税法の勉強をしていた時に実例として、田んぼを持っている人が米を運ぶのに車が必要だということで、車を購入。しかし、その車種は地べたを這いずり回るような車高の低い2人乗りのスポーツカーだったという話を聞いたことがありましたが、さすがに自分自身が裏道を行っているようで、良心が咎めます。そこで、知り合いで税理士の人間がいましたので、相談に行きました。といっても、委託料を払う気はなかったので飲みに誘いました。

本題を切り出すと、誰もがその程度のことはやっている。極論、法律上グレーであれば、経費にならないものはない。と教えてくれました。早速、帳簿類をひっくり返しました。運が良いことに、初年度が黒となりそうだったため、何とか赤、もしくはゼロに持っていきたかったのです。非課税だといろいろな特典がありますから。(住民税の支払いはもちろん、健康診断や医療費など)これはいける、これはさすがに理由が付かないと判別作業をコツコツと行いました。さすがに友人同士の飲み会を交際費で落とすのは気が引けましたので(実際はできるみたいです)、そのあたりの一線は超えないように、今一度考えなおしていきました。年が明ける頃、ようやくその作業も終わり、実際に申請書への記載作業にかかりました。思ったほど混乱せず、スムーズに記載できました。後は確定申告の時期に提出するのみです。

その時期が訪れ、領収書や伝票の類を持って、いざ申告会場へ。もちろんそれまでサラリーでしたし、特に変わったイベントもなかったので、初確定申告です。しかし、裏事情は知っており、確定申告の会場にいる審査をする人たち(職員とでもいえばよいでしょうか)は大半がどこかの税理士。当たる人により、グレーゾーンの申告が通る通らないが決まる、これは運次第、ということでしたので、どんな人にあたってもいいように理論武装だけはしていきました。しばらく待ち、私の順番が来ました。担当は70近くの高齢の税理士。書類の確認をしてくれますが、どうもおぼつかない。逆に私から「これがこうだから、こうなるんですよね」と指摘される始末。大丈夫かと思いながらも提出をすまし帰ってきました。

今日現在、税務署から「ここがおかしい」という問い合わせが来たことはありません。個人事業主の場合、入ってくるお金が1方向で、出ていく方向が事業と私物と2方向あるため、正直ややこしいです。そして、今回の申告作業により、本当に色んなものが節税につながるんだと感じました。今まで給与所得者でしたので、会社におんぶにだっこ。詳しい知識まではわかりませんでしたが、今回自力で行うことにより、こうやって税金が決まるんだという新たな知識と経験を得ることができました。給与所得者の人も確定申告にすると、もっと税に興味を持ち始めるのではないかと感じました。