株式投資の損益通算で還付金の申告で、扶養から外れてしまった主婦の話。

士業の体験談(資格試験、税理士事務所勤務体験などのあるある話)

株式投資の損益通算で還付金の申告で、扶養から外れてしまった主婦の話。

私は主婦で、夫の扶養の範囲内でパート勤めをしています。

日中はパートや自分の趣味をして時間を費やしています。税金について無知であったこともありますが、その趣味が原因でトラブルが起きてしまったことがあったのでお伝えします。

そのトラブルが起きてしまった趣味とは、株式投資です。数年前のお正月に親族で集まった時に兄の奥さんが、株を始めて面白いからと勧められ調べだしたのがきっかけでした。調べてみると、今、流行の株主優待などあり、とても面白く、始めていきました。始めは、開設している口座は1つだけでしたが、手数料の関係で○○万円以上の株を買うときはこちらのほうが安いという理由で2つ口座を持つようになりました。ネット口座を開設したので、株に関してはネットで調べて自己流で進めていました。

ある日、ネットの記事を見ていると「損益通算をすることで還付金を得られる」という記事を見つけました。これは、目から鱗でした。消費税でも8%しか払っていないのに、株は20%も引かれており、取られすぎていると日ごろから感じていましたので食い入るように記事を読み進めました。この記事によればA証券会社で30万円の赤字(赤字のため税金は徴収されず)、B証券会社で20万円の黒字(約4万円税金を徴収されている)の場合、2社を合算しても10万円の赤字なので、約4万円の税金を国や地方自治体から還付される。といったものでした。還付するためには、確定申告が必要であるとのことであったので、翌年3月に近くの税務署で確定申告を行いました。その年はかなり運がよく利益が出ておりA証券会社で60万円の黒字(税金約12万円徴収)B証券会社で10万円の赤字(税金徴収なし)といった状態でした。確定申告をしたことで、1か月ほどたって約1万5千円の還付金が口座に振り込まれ、とても満足していました。

しかし、後日、事件は起きました。住んでいる市役所より夫宛で扶養是正についてのお知らせが届きました。簡単に説明すると現在扶養に入れている私の所得金額が多いので、扶養に入れられませんよという趣旨のものでした。パートでは扶養の範囲内になるようにと、とても気を使って働いており、実際年収も100万円を下回る金額に抑えていたので理解ができず、納得がいかなった私は、市役所に問い合わせてみました。すると、なんと、よかれと思ってした株の確定申告が原因とのことでした。たしかに、給与所得のみであると扶養に入れる金額ではありますが、株の譲渡所得が大きく(今回であれば、50万円)扶養が外れてしまうとのことでした。市役所の方の計算によると、夫は国税8%、住民税10%であったので、国税は約3万円、住民税は約3万6千円増えることになるようです。つまり、私は還付があり、プラスになりましたが、夫は扶養がなくなってしまったことで6万円以上税金が高くなるという結果になってしました。この後、確定申告をして税務署に行き、株の申告を取りやめてほしいことを伝えたのですが、制度上一度出した申告は取り下げることができないようでした(申告期限到来後であったこともあるようです)。結果として、申告したことで、世帯として支払う税金が高くなってしまった、というトラブルが起きました。

所得税や住民税についてあまり知識がなく、申告してしまったことに反省はしています。同様のケースでも、夫の収入金額や株の合算の利益額、NISAの適用の有無などのよって損するか得するかは変わってくるので、一概に申告しない方がよい。とは言えませんが、税務署なり、税理士さんなり、といった専門家の方に一度聞いてみるのも良いかもしれません。