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「お客をもっと増やしたい」と思う前に

「お客をもっと増やしたい」と思う前に

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数年前、新設法人へダイレクトメールを送る手法が
税理士業界で広まりました。

A4サイズの大きなハガキのような形状で、
手書きの筆文字でキャッチコピーを書いて、
スタッフの集合写真を掲載して、
郵送は2回から4回に分けて連載で送る。

そういった方法が良いとされると、
日本中の行動力のある税理士事務所が、
そのやり方を模倣して、
どこの地域でも、
新設法人にはデカいハガキ形状のダイレクトメール
が送りつけられていました。

それで効果が出た事務所もあったと思うのですが、
ここ数年は反響がめっきり下がっています。

 

見込み客の囲い込みは、資本力が小さいと不利になりやすい

現在は、会社を創業する人は、
ネットで「会社設立 ○○市」などと検索します。

検索すると、
「設立手続きの支援サービス」を謳ったネット広告が並び、
その内容は、
「法人設立は0円で出来ます」
というもの。0円でやれる背景には、

「設立は無料でやるので、その代わり税理士事務所はここにしてね」

というものが存在しています。

このノウハウが主流になると、
先ほどの新設法人のダイレクトメールは、
ほとんど効果が無くなります。

なぜなら多くの起業家が、
法人設立前に顧問税理士を決めてしまうからです。

川や魚で例えるならば、
自分の仕掛けがある位置よりも、
川上で新たに設置された仕掛けが威力を発揮しているため、
自分が仕掛けを置いている所まで魚が来ないという状態。

この仕掛けに勝つ方法を考えるならば、
その仕掛けよりも、もっと川上に、
仕掛けを作ることが必要になります。

ということは……、
「経営者になりたい」
と思う前から、
その人と関わっていることが必要とされるので、

自社で、
「起業セミナーを開催する」とか、

もっと突飛なアイデアだと、
コワーキングスペースを運営して、
起業予備軍を囲い込む
ということなどが効果的になります。
ずっと、前の段階から囲い込めますからね。

となると、
大学生あたりからの知り合っておく必要があり、
その人たちに教育を施し、
さらにそれがエスカレートすると、
高校生や中学生の頃からどうやってツバをつけておけば……
などと、見込み客の囲い込みにはキリが無くなってきて、
資本の無い小さな事務所だと、
そんなことは非現実的な話になってしまいます。

 

そうではなく、
今回は、現在の時流や手法に惑わされることなく、
安定してお客様が増えていくための
広告の考え方について話します。

 

客を増やしていく前に、自分の理想のお客さんは誰なのか考えよう

そもそも、アナタの事務所は、
なぜお客さんを増やしたいのでしょうか?

売上を増やすため

スタッフを雇うため

事務所を大きくするため

夢を実現させるため

このような想いがあるかもしれません。

しかし、本来は、
もっと根幹に存在しなければならないのは、

どんなお客さんを増やしたいのか?

であり、
多くの事務所では、
この部分を見逃していることが少なくないのです。

広告制作の仕事を通じてわかったことは、
しっかりこの事を考え抜かれている事務所は、
実は意外に少ないのです。

理想のお客がはっきりしていないまま
事業を拡大していってしまうと、

あるとき、取引先との大きなトラブルや、
くじけそうな出来事があったとき、

自分はなんのためにこの仕事をしてきたんだろう…

と、立ち直れないほどのダメージを受けてしまう
ことだってあるのです。

好きでも無い、
嫌な客ばかりが取引先にうじゃうじゃ存在し、
その人たちのために、自分の能力と時間を
すり減らすように使う人生って
辛いよなと思うのです。

もし、このコラムを読んで、
そうはなりたくない方がいたら、
安直にお客さんを増やしてしまう前に、

自分はどんなお客さんを増やしたいのか?

を考え抜いてみてください。

広告を作る本来の目的は、理想とするお客さんを増やしていくこと

「最初のうちは、お客さんなんて選んでられない!!」

「売上が安定するまでは、どんなお客でも仕事する!!」

などと息巻く気持ちもわからないでもないですが、
この気合いと根性が非常に危険なのです。
このまま、ずっと進んでいってしまいます。

最初のまだお客さんがいないうちだからこそ、

アナタのお客は誰なんだ?

ということを、
徹底的に掘り下げることが必要なのです。

そういった理想のお客をイメージ出来たら、
その人たちを増やしていくために広告を作っていく。

これが本来の広告を作る理由であり、目的なのです。

理想とする未来に近づけるために
広告って作るものなんです。

広告は未来をつくるためのもの。
未来を明るくするために広告をつくらないでどうするんだ?
と私は思っています。

 

価格を安くして勝負したり、
競合他社を悪く言ってみたり、

とにかく仕事が増えさえすれば、
あとはスタッフがやるから誰が客だっていいんだ

というような、不毛なビジネスモデルではなく、
戦うことなく、理想とするお客さんを1社ずつ増やしていき、
その人たちのために自分の能力と時間を使う。

 

そんな日々を送れるための
広告についての考え方でした。

投稿者

この記事を書いた人

中小企業向けに反響を得るニュースレターを教える広告コンサルタント。『仕事と人生を「オモシロ」くする会社』であるTHE 面白本舗株式会社を経営している。



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