メニュー

社労士が自分で作ったチラシでセミナー集客に成功した話。社会保険労務士のためのチラシの作り方。

社労士が自分で作ったチラシでセミナー集客に成功した話。社会保険労務士のためのチラシの作り方。

投稿者

自主開催のセミナーに集客したいときや、限られた期間だけの助成金の集客をするときなどは、ネットで宣伝するのは時間がかかってしまい、非効率的です。セミナー開催日の1カ月前や、助成金の発表直後に、チラシをポスティングしたり、FAXDMを打ったり、即効性のある集客方法を採用した方が成果を見込めます。今回は、チラシやDMの反応率を左右すると言っても過言ではない、コピーライティングについて、そのコツを解説したいと思います。

今回は基本的にはチラシ作成という視点でお話したいと思いますが、コピーライティングの基本的な考え方は、メルマガ集客や広告を出してLP(ランディングページ)で集客する場合などでも同じなので、ぜひ参考にしてみてください。

コピーライティングの王道パターン

社労士が扱う商材(コンテンツ)は、大きく2種類に分かれます。1つ目は、参加者の悩み・課題を解決するコンテンツ(人事労務での目の前のお困りごと)、2つ目は、参加者の興味や関心を持ちそうなコンテンツ(助成金などの、いわばお得情報)、です。効果的なコピーライティングの構成(ストーリー)は、このコンテンツごとに異なります。

【1】見込客の悩み・課題を解決するコンテンツの場合
1 キャッチコピー
2 現状
3 問題提起(このままではダメですよ)
4 具体的な解決策の存在を知らせる
5 4の解決策を実施した実績/お客様の声
6 限定性
7 オファー

【2】見込客が興味や関心を持ちそうなコンテンツの場合
1 キャッチコピー
2 あなたは損しています
3 2の理由(なぜなら、こんな助成金があります)
4 3の導入事例/お客様の声
5 限定性
6 オファー

ここからは、上記のコンテンツ別に各構成要素の詳しい内容についてお伝えしていきます。※黄色の内容に関しては、2つのコンテンツ共通です。

1.キャッチコピー(コンテンツ共通)

一般的なチラシやFAXDMだと一番上の箇所、封書のDMだと封筒の表面に書かれている、掲載内容全体を一言でまとめたタイトルのことです。一番初めに見られる箇所なので、非常に重要です。見込客はキャッチコピーをパッと見て、文章の続きを読むかどうかを判断するので、多少大げさでも「えっ?本当に?」「何それ?」と思わせる言葉にしてください。

具体的な表現としては、

  • 顧客ベネフィット(利益)
  • 具体的な数字
  • 期間
  • 断定的な言葉

を使うと、リアリティやインパクトがあり、反応が良くなります。

キャッチコピーはチラシの冒頭に入れますが、作成する順番は最後に回した方が、考えやすいかもしれません。例えば、【3.問題提起】の要約として、「このままでは、御社も●●の被害に!」・「こんなはずではなかった。●●を放置していたせいで、、、」という具合で入れることもできますし、【5.解決策を実施した実績】の要約として、「たったの3か月で●●が解決!」・「1カ月のうちに100名の方が実践した●●」などといった具合で入れることもできます。

2.現状(【1】見込客の悩み・課題を解決するコンテンツ)

「2.現状」は、「3.問題提起」につなげるための前フリです。具体的には、世間や業界で話題になっている時事的な内容を書きます。「商工会議所によると、日本の中小企業のうち、●●%が●●に直面しているそうです」・「20××年、社会保険料が●●%に上がります」・「●●県の求人倍率は●●%」・「昨年の税務調査否認件数は●●件」などです。信頼性が増すため、数値データがある場合は使いましょう。商工会議所や官庁のホームページなどで、さまざまなデータが拾えます。自分が求めているようなデータがない場合は、信頼性は落ちますが、自社リサーチやアンケート結果という形でも構いません。ただし、このパートは、あくまでも「3.問題提起」を際立たせるために入れる内容なので、文章は極力短めにしてください。商品・サービスに直結する内容でもないので、他の構成要素と比べて、文章のボリュームは最も少なくて良いです。

3.問題提起(【1】見込客の悩み・課題を解決するコンテンツ)

「3.問題提起」の目的は、「他人事(時事問題)を自分事に変える」ことです。人間は、問題を認識しないと、悩みや課題を持ちません。そのため、先ほどの「現状」について、見込客は、新聞を読むように、自分(自社)には関係のない他人事だと思って読んでいます。 そこで、この「問題提起」のパートで、現状の自治問題が、自分(自社)にも起こり得る(影響する)問題であることを認識させます。具体的な表現方法としては、「御社の●●は去年更新しましたか?」・「御社の●●はチェックしていますか?」・「あなたの●●は大丈夫ですか?」といった、問いかけにするのがベタです。そして、その後に解説が続きます。●●の内容については、少し捻ったものにしてください。現状に対する直接的な問題だと、見込客は「それぐらい知っている」と感じ、興味を損ないます。そこで、例えば、「社会保険料が●●%に上がる」→「それにより〇〇になる」→「そうすると▲▲が起こる」という風に、「現状」が進むことによる二次的・三次的な問題を提起するなど、捻りを加えましょう。

4.具体的な解決策の存在を知らせる(【1】見込客の悩み・課題を解決するコンテンツ)

このパートの役割は、「解決した先の姿をイメージしてもらう」ことです。そのために、具体的な解決策があることを伝えます。ここで重要なことは、解決策の具体的な内容まで書かないことです。具体的な方法を教えてしまうと、読み手の満足度は上がりますが、成果につながりにくくなります。なぜなら、「自分でやろう」と思われたり、「競合他社に聞いてみよう」と思われたり、あるいは、方法を知っただけで満足してしまい、その後の行動を取らなくなってしまうからです。だから、例えば、「●●が解決されることで経営に集中できます」・「●●を削減することにより、営業利益が〇〇万円増加します」・「●●を解決することにより、毎月の資金繰りが楽になります」、といった表現で、解決後のイメージを膨らませるだけの文章に留めておきます。間違っても具体的な解決方法は書かないでくださいね。

5.その解決策を実施した実績/お客様の声(コンテンツ共通)

※「【2】見込客が興味や関心を持ちそうなコンテンツ」の「4.導入実績」と、微妙に表現の違いがありますが、内容は共通です。
「実績」を入れる目的は「信用度を上げる」ことです。書き方のポイントとしては、見込客の視点で書くことです。単に、「100社が導入済み!」「400社がセミナーに参加!」と、販売数や参加人数だけを示すのではなく、 「導入した100社のすべてが3か月以内に●●%の経費削減に成功!」という風に、セミナー参加・サービス導入の結果、見込客にとってどのようなベネフィット(利益)があるのかを盛り込みます。実績は多いほど良いので、箇条書きでたくさん書くと良いです。ただ、セミナー告知文の場合は、セミナー内容に関係のある実績だけを入れるようにしてくださいね。また、「実績」と共に、信用度アップに効果的なのが、「参加者・顧客の声」です。掲載許可を取るのは大変ですが、社名・氏名、具体的な効果(数字)も記載できるとかなり効果的です。それによって、告知文の信用度は一気に上がります。これを、イニシャルやA社などにすると途端にその効果は下がってしまいます。

なお、独立したての方や新サービス・新コンテンツで、載せられる導入実績や顧客の声がない場合もあるかと思います。その場合は、無料でも良いので、早く実績を作るようにしてください。無料でサービス導入やセミナーに招待する代わりに、アンケートの協力と掲載許可を依頼します。間違っても、嘘の実績は書かないでくださいね。後でバレますから。

6.限定性(コンテンツ共通)

「限定性」の目的は、「成約率を上げる」ことです。「先着10名限定」「●月●日受付〆切」など、限定性を付加することは、成約率アップに非常に効果的です。人間は、何かを決定するとき、どうしても先送りにしてしまう傾向があります。セミナー日程だけ確認して、「あとで予約しよう」としばらく放置した結果忘れる、、、このような経験、あなたにもあるのではないでしょうか?これを防止するために、「今すぐに申し込まないといけない!」と思わせるのが、この限定性です。そして、この限定性の効果をより高めるためには、単に期限を設けるだけではなく、より早く申し込んだ人にメリットがあるようなものにすると良いです。例えば、「4月1日まで早期割引適用」「先着20名に●●冊子プレゼント」というかたちで、何らかの早期特典を付けるのが一般的です。

7.オファー(コンテンツ共通)

「オファー」とは、「特典」のことです。「限定性」の説明で述べた「早期特典」と似ていますが、「限定性」と「オファー」の両方を使うことで、より成約率を上げることができます。例えば、「セミナー参加者にDVDを差し上げます」「お申込み特典:●●冊子」などです。通販番組などでも、オマケが多くてボリューム感がある方がお得に思えますが、それと同じです。オファー内容ですが、なるべく原価のかからないものにしましょう。例えば、「初回面談無料」「休業規則無料診断」「経営分析サービス」「●●の他社事例集」など、外部にお金が発生しないものです。さらに言うと、バックエンド商品(セミナー参加者に売りたいものや、見込客に追加で紹介したいもの)につながるものだとより良いです。特典を実施して、そのまま自然な流れで営業までできるので、とても効果的ですよ。

2.あなた損しています(【2】見込客が興味や関心を持ちそうなコンテンツ)

ここからは、【2】見込客が興味や関心を持ちそうなコンテンツについて解説していきます。冒頭の「キャッチコピー」は、【1】のコンテンツと共通で、既にご説明しました。このパートは、キャッチコピーで見込客の注意を引き付けたあとに、サブキャッチ(キャッチコピーの下の文章)として読ませるコピー、もしくは、本文の冒頭に入れる文章です。文字通りですが、ポイントは、見込客に「自分は損している、、、」と思わせることです。行動経済学のプロスペクト理論では、人は利益を得るよりも損失を回避することのほうが、強く印象に残り、行動する、と言われています。そのため、見込客のメリットやベネフィットだけを訴求した、「最低100万円の助成金が受給できる」・「3月までなら最低180万受給できる」・「●●な組織作りができます」、といった文章よりも、「あなたは損していますよ!」といったニュアンスを入れた方が、より効果的になります。「面倒くさいというだけで、●●万円も損していますよ!」・「私のクライアントは●●を知っているだけで△△の問題を回避できました。御社はどうでしょう?」助成金・補助金のように利益を与えるようなものでも、あえて「損」を強調した表現にすることで、見込客の反応率が上がります。

3.なぜなら●●なことがあります。

【コンテンツ:興味・関心系】前回は、「2.あなた損していますよ」について、お話をしました。念のため、興味・関心系のコンテンツ、コピーライティングの全構成要素を記載します。

■コンテンツが興味・関心系
1.キャッチコピー
2.あなた損していますよ
3.なぜなら●●なことがあります。
(例:こんな助成金、補助金とか)
4.実績・導入事例
5.限定性
6.オファー

今回は、構成要素3について解説します。3.なぜなら、こんな助成金があります(【2】見込客が興味や関心を持ちそうなコンテンツ)このパートの役割は、「私はちゃんとした専門家ですよ」と伝えることです。ひとつ前のパート「2.あなた損しています」では、どうしても多少煽ったような文章になってしまいます。

ここでは、あえて専門用語や専門知識を使います。「平成●●年に施行された●●という法律をご存知ですか?」「平成●●年に●●が否認された判例があります」助成金名や法律名は省略せずに正式名称で書いてください。少し難しい内容でも、 既に「知らないと損」であることを伝えているので、このパートはていねいに読んでもらえますし、かつ、「しっかりしていそう」と思ってもらえます。

1.キャッチコピー
2.あなた損していますよ
と、軽いトーンの文章が続いているので、ここで、あえて専門用語を交えることで、重さを出し、文章全体を引き締めます。
この箇所がないと、ただ軽くて、見込客に怪しい印象を持たれて終わってしまいます。
また、逆に、「あなたは損をしています」という煽りがなければ、ただ難しいだけの文章になってしまい、完全な流し読みで終わってしまうでしょう。

これ以降、4以下の下記構成要素については、【1】と共通です。
4.実績・導入事例/お客様の声
5.限定性
6.オファー

社労士のチラシは自作できます。社労士の集客を目的としたチラシでは、デザインよりもコピーライティングが重要です。それは、言い換えると、デザイナーに依頼しなくても、自分でも作ることができるということでもあります。ぜひ、お話した効果的な文章構成を参考に、集客効果の高いチラシを作ってくださいね。とはいえ、もちろん、一朝一夕でできるようなものではありません。配布したチラシの反応を見ながら、少しずつ言い回しを変えて、精度の高いものを作っていきましょう。自作すれば、ちょっとした細かな文字修正も簡単にできるので、その点でもおすすめですよ。

投稿者

この記事を書いた人

社会保険労務士。2012年社会保険労務士事務所を開業。人材コンサルティング会社で得た新規顧客獲得のノウハウを見える化、簡素化したメソッドを中小企業に提供している。営業・マーケティング・セミナー集客など新規受注までの全ての流れをカバーしており、いかに価格競争に巻き込まれずに高額受注するのが得意。現在は、このメソッドを使って仲間の社会保険労務士やその他士業、コンサルタントの営業をサポートしている。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です